3泊4日の冬山大周遊 ④
最終日の今日は、6時40分に出発。あとは下山するだけだが、最後まで気を抜いてはならない。事故は、油断した一瞬の隙に起こるからだ。
薄暗い稜線をゆっくり進む。白鳥山へは行かず、途中の下駒ヶ岳から西に伸びる尾根を下るルートだ。下駒ヶ岳までは黄蓮山、菊石山の2つのピークを越える必要がある。
7時15分に黄蓮山に到着。7時18分、太陽が稜線上へ姿を現す。ありがたい御来光だ。風も穏やかな静かな朝となった。
初雪山から犬ヶ岳へと続く稜線。ここを歩いてきたのだ。長かった3日間のことを思い出しながら、感慨に浸る。
犬ヶ岳。
犬ヶ岳と初雪山の稜線の遥か奥に聳える山々は劔岳〜毛勝山の北方稜線と思われる。
初雪山。
朝日に照らされた白鳥山へと続く稜線。
山の影が空に映っている。
今回の山行は比較的天候に恵まれたように思う。しかも、最終日に御来光を拝めることができて、ありがたい。今年も一年間、安全で楽しい山行ができますように。
絶景をじっくり堪能し、先へ。
次のピークは標高1209.7mの菊石山(左)。一度1150mまで200m強下ってから、60mの登り返しだ。奥は糸魚川市の山々である。
8時25分に菊石山到着。小休止して先へ。二重稜線になっていて、ちょっと道が分かりづらい。白く染まった山の一部だけ真っ黒になっているのは杉の植林帯だ。伐採されず、花粉の生産工場としか機能していない。
いよいよ最後のピーク、下駒ヶ岳(1241m)が近づく。1120mまで下ってからの120mの登り返しだ。山頂直下の40mはかなりの急斜面だ。空身でトップのDさんが登りながら雪の状態を確認し、ロープは不要との判断を下す。
犬ヶ岳からの道を振り返る。小屋が遥か彼方に見える。
9時59分に下駒ヶ岳に到着。幾多もの尾根が重なりあって美しい。
下駒ヶ岳の先の小ピークから西に出ている尾根を下る。当然登山道にはなっていないが、藪がそれほどきつくないことは、隊長のYさんが偵察済みだ。
雪が豊富で快適な尾根となっている。
気持ちのいいブナ林の中をガシガシ下る。標高が下がるにつれ、雪が重くなってきた。10時59分に標高950m地点。この先895mの小ピークまでは緩やかな斜面が続く。
植林されているかのような唐松並木が美しい。
895mピークから先は険しい下り。雪がわずかについていて滑りやすく、かなりいやらしい。
危険な箇所は懸垂下降で確実に下りる。全部で3ヶ所懸垂下降した。
14時3分。ついに長い尾根下りが終わり、寺谷の出合いに出た。無事に全員が帰ってこれたことに感謝し、握手を交わし合う。
最後は大平の集落まで約6.5kmの長い林道を歩く。ヴィクトリーウォークだ。
16時15分、ついにフィナーレ。数日の間に林道上の雪はすっかり消え、晩秋であるかのような雰囲気だ。振り返った先には初雪山山頂が顔を出していた。
今回の行程は、総距離24.5km、累積標高差は2000mを越える長大なコースとなった。
下山後は中国麺飯店ワンフーにて、がっつり食べた。そして、個人的に魚津の金太郎温泉で疲れを癒した。
大満足の4日間であった。もう思い残すことはない。あとは泥のように眠るだけ...。