自由気ままに 〜山、旅、心〜

山登りの記録や、旅の記録、日常生活の中で感じたことをのほほんと綴るブログ

二日続けて雪山へ - 僧ヶ岳・駒ヶ岳 -

昨日の毛勝山の雪のコンディションは最高だった。だからこそ山頂まで行けたのだ。今日も昼過ぎまでは晴れの予報が出ていた。この歩きやすい雪で素晴らしい天気、こんなチャンスは滅多にない。ということで、今日も山へ行くことにした。目的の山は僧ヶ岳である。

 

6時過ぎに僧ヶ岳東又コースの登山口に到着し、支度を整えて6時17分にスタートする。標高1340mの伊折山までは急登だ。歩き始めるとすぐに足取りがやや重いことが分かった。当然だが、昨日の疲れが出ているのだ。後ろを振り返れば、毛勝山。

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この登山道は、毛勝山西北尾根と違い、陽がよく当たる。雪は1200mあたりから現れた。今日も雪は硬く、歩きやすい。7時40分に伊折山に到着。

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勾配は緩み、気持ちの良い道となる。ツボ足でサクサク進む。

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8時21分、標高1600mの成谷山に到着。想像以上に早いペースだ。このペースだとあと1時間もあれば、山頂に着いてしまう。ここに来て身体もよく動くようになり、駒ヶ岳まで足を伸ばしてみようと考える。ともあれ、一旦休憩してワカンジキを装着する。

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海側(市街地方面)は晴れているが、山側は雲がかってきた。

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サングラス越しに市街地を撮ってみる。ノスタルジックな写真の出来上がり。

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槍見の池は完全に氷結していた。乗っても氷が割れる様子は全くなかった。

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空気が澄んでいて富山平野がこんなにくっきり見える。奥の低い山の向こうは石川県だ。

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昨日登った西北尾根もきれいに見える。緩やかな曲線を描きながら山頂へ続いていることがわかる。その奥の尾根は大明神尾根。右手のピークが大明神山で、一旦下ってから南峰へと突き上げている。

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緩やかなアップダウンを繰り返しながら、徐々に標高を稼ぎ、僧ヶ岳頂上が近づいてきた。

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魚津市街地もくっきりだ。

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9時38分、僧ヶ岳山頂到着だ。宇奈月側から登って来た人の足跡がたくさんあった。

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小休止を挟んだ後、無理はせず、駒ヶ岳方面へ向かってみることにした。トレースはない。山頂直下にある垂直の固定ロープを無事に越えられるかが不安であった。

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僧ヶ岳からまずは約100mの下り。一箇所だけ小さな難所があった。3mほどの小さなトラバースで、雪面が45度くらいの角度になっていた。滑落すると遥か下まで行ってしまう。さすがに怖いので、トラバースではなく、忠実に尾根をたどった。少し移動する度に、ピッケルを深く刺し、慎重に進んだ。

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そこを抜ければ、ずっと歩きやすい道が続いた。尾根の両側には素晴らしい景色が広がっていた。

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10時30分、北駒ヶ岳に到着。いよいよ駒ヶ岳が近づいて来た。

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そして、最大の難所に突入。まずは急斜面を登ってからのトラバース。幸い、ロープがしっかり出ていたため、掴みながらゆっくり進む。この写真のすぐ後に垂直の固定ロープがある。ピッケルを背中にしまい、両手を使ってロープを掴み、足を一歩ずつ足場に乗せていった。ワカンジキを脱ぐことなく、無事に難所を突破した。

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そして、11時。ついに駒ヶ岳山頂に到着である。感無量だ。よく頑張った。

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毛勝山の後ろには剱岳の勇姿。

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反対側は後立山連峰

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10分ほど滞在して、下山開始。登りでは撮る余裕がなかった固定ロープを撮ってみた。ロープをしっかり掴みさえすれば、問題なく降りることができる。また、下りでは怖いと思ったらバックステップになった。足をしっかり蹴り込むとともに、ピッケルを深く刺せば、安全に降りることができる。

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12時、駒と僧の最低鞍部まで戻って来た。あとは100mの登り返しである。鞍部で休憩中。日本海の遥か彼方に山のような地形が見えた。あれはもしや佐渡島?  帰ってから地図をよく見ると、確かに見た方向に佐渡島があった。ここから佐渡島が見えるのは、大発見である。いや、空気がここまで澄んでいた、奇跡の日だったのだ。

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誤って偶然撮れた写真。うまく太陽も山々も入って、芸術チックな写真となっていた。

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12時30分、僧ヶ岳まで戻って来た。ちょうど、宇奈月側から岳友Sさんが登って来ているらしい。雪に「お疲れ様でした」のメッセージを残しておいた。白山方面の眺めが絶佳である。淡い空の色が郷愁を誘う。

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富山湾の形もここまではっきり分かる。

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成谷山へと続く登山道が美しい。絵画のような世界である。

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雪山の下りは本当に早い。13時25分に成谷山、13時50分に伊折山、14時40分に登山口。伊折山からの下りの急斜面も、ロープに掴まりながら降りることで、自分でもびっくりするくらいのスピードで下ることができた。

 

最高に充実した2日間だった。興奮と不安で交感神経が興奮しっ放しで、今はそれほど疲れを感じていないが、きっと明日、明後日には猛烈な疲れがどっと押し寄せることだろう。

 

夕食は、たんぱく質をこれでもかというほど摂取した。豚肉に手羽元、ぶり、かますの刺身、卵、豆腐、納豆である。ぺろりと平らげ、さっさと就寝だ。

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