自由気ままに 〜山、旅、心〜

山登りの記録や、旅の記録、日常生活の中で感じたことをのほほんと綴るブログ

ドン・キホーテの定理

2008年ノーベル物理学賞受賞の益川敏英氏の自伝『僕はこうして科学者になった』を読み終えた。感想を箇条書きでいくつか書いてみたい。

 

・読書は大事。益川さんはとにかくよく本を読まれる方だ。大量の本に裏打ちされた豊かな教養をお持ちであることは、この伝記を読んだだけでもよく伝わってくる。

 

・議論せよ。論争術を身につけよ。益川さんは、とにかく仲間と議論する方だ。仲間と切磋琢磨する内に膨大な量の生きた知識を身につけられたと思う。また、どんな立場でも負けない強い論争術を持っていることは、自分の主張を有利に展開できる強力な武器となる。

 

・天才肌でひねくれ者?ノーベル賞を取れるような人はやはり”普通”ではないのだろうか。益川さんは小さい頃から尖っていたようだ。やはり凡人ではない何かをお持ちなのだろう。

 

・憧れとロマンを持て。これが、益川さんの最も伝えたかったメッセージ。偉人に憧れて惚れ込んで、そうなりたいと強く願う心。これが、成長の原動力となるのだと。これがドン・キホーテの定理。

 

とても読みやすく、益川氏の人となりもよく分かる、それでいて心に訴える強いメッセージ性を有する素晴らしい本であった。