自由気ままに 〜山、旅、心〜

山登りの記録や、旅の記録、日常生活の中で感じたことをのほほんと綴るブログ

灼熱地獄! - 僧ヶ岳・駒ヶ岳 -

本当は半日程度で行けるお手軽沢登りに行きたかった。だが、お盆前の週末ということもあり、仲間が集まらなかったのだ。そこで、個人山行を決行することにした。行き先は、僧ヶ岳(1855m)・駒ヶ岳(2002m)である。

 

宇奈月尾根もしくは烏帽子尾根から行く予定だ。問題は車がどこまで入るかである。駒ヶ岳までは距離があるので、できるだけ車で標高を稼いでおきたい。宇奈月温泉スキー場を突っ切る林道をどんどん登っていく。急斜面に付けられたつづら折れの道である。林道からの景色は絶景であった。

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標高650mの宇奈月尾根登山口を無事に通過し、さらに奥へ進む。所々落石が転がっているため、踏まないよう慎重に運転する。3箇所の洗い越しを通過し、標高1043mの広場に到着した。そこから先は通行止めとなっていた。本日はここからのスタートとなる。車は既に2台停まっていた。広場から林道を数分歩き、7時27分、第三登山口から登山開始である。

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スタートからなかなかの急登が続く。キノコがたくさん生えているメルヘンチックなブナ林だ。熊よけの鈴をチリンチリン鳴らしながら進んでいく。

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子供の頃はよくキノコ図鑑を見て名前を覚えていたものだ。

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図鑑で見たことのあるようなキノコだが、名前が出てこない。

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錆びついた遺産を発見。かつてモリブデンを運び下ろすために作られた設備の残骸であろうか。

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朝日浴び ソバナに停まる 蜻蛉かな

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道は整備されていて歩きやすい。8時2分、1431mピークを通過する。登山道からは幾重にも重なりあった山々の姿。これは後立山連峰だ。

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歩き始めてから約1時間、適当な場所を見つけて10分ほど小休止する。スマホを出して現在地を確認すると標高は1543m、もう少しで烏帽子尾根との合流地点に到達する。コースタイムは2時間45分なので、標準の2倍以上のペースということになる。まだ8時半だが、太陽が容赦なく照りつけて暑い。水をどんどん消費する。

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8時43分、烏帽子尾根との合流地点を通過。眺めはどんどん良くなってくる。

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9時10分。前僧ヶ岳(1775m)を通過し、仏ヶ平へ。

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シモツケソウ、ニッコウキスゲチングルマなどが咲くお花畑であった。

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はるか下の宇奈月ダムダム湖がエメラルドグリーンに輝いていた。

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9時27分、スタートからちょうど2時間で僧ヶ岳山頂に到着。登ってくる途中で1組を追い抜き、もう1人とすれ違った。山頂には誰もいない。ザックを降ろして大休止とする。それにしても暑い。

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駒ヶ岳へ続く尾根を眺める。

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20分ほど休み、9時45分に駒ヶ岳へ向け出発。どっしりと構える毛勝三山が見える。徐々に雲海が広がってきた。登山道は丁寧に草刈りされていて歩きやすい。

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10時20分、北駒ヶ岳(1914m)を通過。ここから先は、草刈りがされておらず、やや歩きづらい。だが、景色は美しい。

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山頂直下に2箇所の急傾斜地があった。固定ロープが張られている。尾根は細く険しい場所であった。

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山頂までもう少し。眺めは絶佳。

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僧ヶ岳を出発して約1時間。10時43分に駒ヶ岳に到着である。当然誰もいない。絶景を独り占めだ。

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毛勝山の後ろには剱岳。そして雲海が見事である。

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景色は素晴らしいのだが、カンカン照りで灼熱地獄である。しかも全くの無風。汗が止まらない。山頂では、お湯を沸かし、インスタントラーメンを食べた。

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今日は水を3.5L持ってきた。ここまでで飲み水として2L、麺を茹でるのに500ml使ってしまった。残りはわずか1Lである。下山まで水場は一切ない。下山まで足りない予感がしてきた。麺の茹で汁200mlも捨てるのが惜しく、ペットボトルに入れて道中飲むことにした。

 

11時20分、下山開始。雲海がさらに綺麗に広がっていた。稜線上は灼熱地獄のため、早く標高を下げて雲海の中に飛び込みたい。

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山頂直下の最大の難所。ほぼ垂直の斜面をロープをつたって降りる。

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僧ヶ岳までなかなか遠い。水をがぶ飲みしたいが、1Lしかないので我慢する。僧ヶ岳までの100mの登り返しで、一気に汗が吹き出す。まさに灼熱地獄であった。

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12時10分、僧ヶ岳山頂を通過。山頂では若い女性が1人休んでいた。私は休むことなく、下山を急ぐ。水はもう500ml強しか残っていない。

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暑くて暑くて写真を撮る余裕もないが、仏ヶ平の可憐な花だけはシャッターに収めておきたい。

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標高1500m以下まで降りてくると、やっとガスの中となり、直射日光の攻撃は終わりとなった。それでも暑いことに変わりはない。水をついに最後まで飲んだ。ここから下山まで30分弱、一切水分補給は出来ない。熱中症にならないことを祈りながら、歩き続けた。

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13時40分、ついに林道が見えてきた。鉄の梯子を踏み外さないように慎重に降りる。ゴールである。本当によく頑張った。身体はよく持ちこたえてくれた。

 

地図を見ると第三登山口から少し林道を登ったところに、「水」マークがある。行ってみたが、水の気配が全くない。仕方なく、車まで戻り林道を降りていく。洗い越しの地点に車を停め、冷たい沢水を頭、顔、首にかけた。最高に気持ちいい。そしてペットボトルで沢水を頂く。命の水だ。ゴクゴク飲んで生き返る。

 

本日は往復14km、累積標高差1300mのかなりハードな山行となった。まさか水を3.5L担いでも足りなかったことには驚いた。真夏の山行は熱中症に厳重警戒である。今日の一番の失敗は、タオルを忘れたことだ。首筋に濡れタオルをかけたまま歩くと効率よく体温を下げてくれる。何はともあれ、無事に帰ってこれたことに感謝である。