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自由気ままに 〜山、旅、心〜

山登りの記録や、旅の記録、日常生活の中で感じたことをのほほんと綴るブログ

雨の中を行く白山1日目

山行記録

4時前に起床する。涼しい夜であった。窓から吹き込む夜風がひんやりとしていた。登山服に着替え、宿からのお弁当(おにぎり)を持って、車に乗り込む。まだ外は闇に包まれている。虫の声が響く県道をひた走り、市ノ瀬へ向かった。

 

市ノ瀬ビジターセンターに登山届を提出し、登山バスに乗り込む。始発のバス(5時発)に間に合うことができた。市ノ瀬での案内板によれば、別山からチブリ尾根を経て市ノ瀬まで降りてくる道は落石のため、通行不可とのことらしい。予定の変更を余儀なくされた。

 

5時15分、別当出合に到着し、腹ごしらえする。雨がぽつぽつ降り始めたので、合羽を羽織るとともにザックカバーをかける。5時45分に出発する。本日は、午後まで雨の予報だ。山頂に行っても面白くなさそうなので、とりあえず直接、宿泊地の南竜山荘に向かうことにした。

 

砂防新道は初心者向けの登山道である。花もちらほら咲いている。これはソバナ。断続的に雨が降ってくる。

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ゆっくりとしたペースだが、合羽の中が蒸れて不快極まりない。友人2人は、初の本格的登山で大雨の日に当たってしまったが、文句も言わず黙々と歩いている。

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6時25分、中飯場。コースタイムをわずかに上回るペースだ。昨日の民宿で一緒だった3人と鉢合わせ、しばし会話する。ザックを降ろし、エネルギーを補給する。

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6時40分、中飯場を出発し、甚之助避難小屋へ向かって歩き出す。歩きやすい道だが、岩の上をチョコレート色の水が流れて川のようになっていた。相変わらず雨が降りしきり、ガスで視界はゼロ。高山植物はまだ少ない。これはハクサンボウフウ。黙々と歩き続ける。

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7時50分、甚之助避難小屋に到着だ。標高は1965m。別当出合から700m登ったことになる。小屋の中は人でごった返していた。隙間を見つけて腰掛け、お弁当を食べた。塩味の効いた梅干し入りおにぎりで疲労回復効果抜群だ。合羽を脱ぐと背中から蒸気が立ちのぼるほど服は濡れていた。しばらく休むと寒気を覚える。濡れるということは、いかに体温を奪うかを思い知ることになった。

 

じっくり40分休み、8時30分に再び歩き出す。この辺りから、ちらほら高山植物が現れ始めた。ヨツバシオガマハクサンフウロゴゼンタチバナ、イブキトラノオ

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室堂へ続く砂防新道を離れ、南竜道に入る。斜面をトラバースするように道が付いている。

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ニッコウキスゲの群生地を発見。3人で大喜びする。

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斜面一面に咲き誇っていて美しい。

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9時30分、南竜山荘に到着してしまった。かなり早いが、受付を済ませる。小屋はまだ清掃中とのことで、受付棟のストーブの周りで濡れた合羽を乾かしていた。しばらくして小屋の掃除が終わったとの連絡があり、小屋に移動する。乾燥室に合羽を干し、玄関のストーブで暖を取った。

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今回、友人2人は小屋泊まり、私はテント泊である。この雨の中でテントは張りたくない。10時45分、雨が小降りになったのを見て、テント場へ急ぐ。テント設営を始めた途端、再び雨脚が強くなってきた。急いで作業する。ペグが見当たらなかったので、そこらに転がっていた石で代用した。ずぶ濡れになりながらもなんとか無事設営完了。ザックをテント内に押し込み、自分も急いで中へ入る。合羽がびしょびしょなのでテントマットもすぐに濡れてしまった。ザックも設営時の雨によってかなり水を含んでしまっていて、どうしようもない。大事な寝袋等を濡らさなかったのは不幸中の幸いであった。

 

11時40分、テントを離れ、2人がいる山荘に向かう。食堂で、世間話しながら、お昼を摂った。雨は一向に上がらない。15時頃まで待ってみよう、ということでお互い昼寝をすることに。

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テントに戻って、エアマットを敷き、下着を着替えてから寝袋に入る。暖かくて快適だ。1時間ほどの心地よい休息時間となった。

 

15時、雨はほぼ上がっていた。山荘で2人と合流し、付近を散策することにした。道端に目を向けると、たくさんの可憐な花たちが健気な姿を見せていた。チングルマミヤマキンポウゲハクサンコザクラコイワカガミ...。

 

咲き終わりのチングルマ

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 ハクサンコザクラ

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葉がみずみずしい。

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高層湿原になっている。

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1時間ほど散策し、2人は山荘へ、私はテントへ戻る。途中、ラジオでNHKの気象通報を聴いた。西の方から天気は回復してきているようだ。明日は良い天気になりますように。

 

テントに戻って夕飯の支度をする。夕食は、ビーフシチュー、さんまの蒲焼き、味噌汁である。ビーフシチューは、非常食の「尾西の白飯」に、レトルトのビーフシチューの素を砕いて投入し、お湯を注いで20分待てば完成である。

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ビーフシチューにはワインが合う。美味しいご馳走に心から満足。

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天気もますます快方に向かっている。周りのテントでは、皆楽しそうに談笑していた。

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18時30分から、受付棟の2階で白山の自然を解説する無料のスライドショーが開催される。3人で聴きに行き、白山の歴史や地層、植物について学んだ。

 

19時15分。スライドショーが終わり、外に出ると山全体が赤に染まっていた。

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哀愁を誘うノスタルジックな雰囲気である。

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皆が美しい夕焼けに釘付けになっている。

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幻想的な夕焼け。ただ自然の神秘に感動するばかりだ。

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山の端には月が出ていた。

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夕焼けというサプライズをじっくり堪能し、20時前にテントに入る。明日は4時に山荘に集合し、展望歩道でご来光を望んでから山頂アタックの予定だ。わくわくする気持ちを抱きながら眠りについた。