自由気ままに 〜山、旅、心〜

山登りの記録や、旅の記録、日常生活の中で感じたことをのほほんと綴るブログ

続く岩登り訓練

先週の日曜日にも、ベテランSさんと岩登り訓練をしたばかりであるが、今週もやります。今日は、立山駅の近くにある登山研修所の人工岩を使った訓練だ。

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まずは、セカンドとしてトップを確保する練習だ。先週の復習である。忘れない内に、一連の流れを記しておこう。2本のメインロープをダブルエイトノットでハーネスに固定した後、始点(流動分散)を作る。始点の環付きカラビナにインクノットで自己確保(セルフビレイ)し、トップ側のロープをATCに通して準備完了。先週の特訓が効いていて、迷わず作業することができた。

 

ロープが少したるんでいる状態をキープするように、ロープを繰り出して行く。ロープを握る手は、親指の向きとロープの流れる方向が同じになるように握るとのこと。トップがヌンチャクにメインロープをかける際は、ロープを十分に繰り出してあげるのがポイントだ。

 

トップが頂上に着いて新たな始点を作り、セルフビレイが完了したら、セカンドに「ビレイ解除」とコールする。セカンドは、ATCからロープを外し、「ザイルアップ」とコールする。するとトップは、余っているロープを上に引き上げる。ロープを十分引き上げたら、トップはATCにロープをかけてセカンドを確保する準備をする。トップが準備できたら、セカンドに「登ってこい」と合図する。

 

セカンドは、セルフビレイを解除し、すべての支点にかかっている備品(カラビナ、シュリンゲ、ヌンチャク)を回収しながら(たすき掛けした一本の太めのシュリンゲにどんどん備品をかけながら)登っていく。備品を落とさぬよう、外す前にたすき掛けしたシュリンゲにカラビナで掛けておくと良い。頂上まで登ったら、デイジーチェーンでセルフビレイをとる。

 

次は、懸垂下降だ。

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ダブルエイトノットを解いてメインロープを自分から外し、捨て縄に通してから、2本のメインロープの端をそれぞれ結ぶ。上端は2本まとめてエイトノット+オーバーハンドノット(いわゆる固結び)で結び、下端は2本まとめてトリプルフィッシャー(?)で結んで大きめの団子になるようにする(エイト環がすり抜けないように)。

 

ロープを整理し、上端側→下端側の順で放り投げてロープダウンする。そして、バックアップを取り、エイト環をその上側にセットする。バックアップがしっかり効くことを確認してから飛び出す。バックアップを緩めながらゆっくり降りる。着地したら、エイト環、バックアップの順に外す。最後の人が降りてきたら、下端の結び目を解き、適切な側のメインロープを引いて、回収する。

 

続いては、トップで登る練習だ。

 

始点のできるだけ近くにゼロピン(下側に2つカラビナがついたヌンチャク)を掛け、それぞれのカラビナにメインロープを通す。あとは、適宜登ってはヌンチャクを掛けてはメインロープを通すことを繰り返す。メインロープはクロスすると流れが悪くなるので、クロスしないように。頂上に着いたら、まずはデイジーチェーンでセルフビレイを取り、身の安全を確保してから新たな始点を作る。始点の環付きカラビナにインクノットでメインロープを結び、セルフビレイ。あとは、余っているロープを引き上げ、セカンドの確保の準備をする。セカンドへ伸びるロープは、腰よりも高い位置の支点のカラビナにかけることで、楽にセカンドを引っ張り上げることができる。セカンドの確保では、ロープはできるだけピンと張った状態を保つ。

  

今日は、何度も登っては降りてを繰り返し練習でき、また一段とザイルワークに慣れることができた。

 

● その他練習したこと

1. 空中懸垂

崖から飛び出す一瞬が最も緊張する。始点とエイト環までの長さの振り子となるため、できるだけエイト環とバックアップを始点に近づけた状態で、しゃがんで前向きに飛び出すと良い。バックアップがしっかり効いてくれるため、落ちる心配はない。バックアップを緩めてゆっくり下降する。

 

2. エイト環・バックアップに頼らないATCのみを使用した懸垂下降

これまでの懸垂下降の練習では、すべてバックアップを取り、エイト環を使用する方法であった。しかし、この方法には欠点が2つある。一つは作業に時間がかかる点。もう一つはバックアップによりメインロープが摩擦で消耗しやすい点だ。理想的にはバックアップにもエイト環にも頼らずATCのみで下降することだ。やってみると案外難しくないし、怖くない。ATCによるブレーキはしっかりしている。

 

3. 垂壁での人工登攀

あぶみを使用して登る練習だ。2本のあぶみを交互に乗り換えながら登る。オーバーハングの箇所もあったが、あぶみを使えばそれほど苦労せずに登れる。だが、腕がパンパンになる。まだテクニックが足りないため、無駄に筋力を使って消耗しているためだ。最後は力尽きて、上からの確保で何とか登りきることができた。

 

基礎的なザイルワークを覚えれば、岩登りもできるようになる。自分の中の登山のレパートリーが一つ増えて嬉しい。早くフィールドに出て実践したい。

 

● 忘備録

・相手が見えない場面では、意思伝達に笛が必要である。

・エイト環を使用しての懸垂下降では、デイジーチェーンの余った部分を適切に処理し、ハーネスの備品をかける輪に荷重がかからないようにすること。